Panic

Panic Blog

4月 5th, 2017

2017年にようこそ… Panic は今年20周年を迎えました‼︎

読み間違いじゃありません。私たちが 1997年創業であることをご存じない方もいらっしゃるかと思いますが、真実です。ふと気付けば、私たちは Facebook よりも Twitter よりも、そして Google よりも年上の会社なのです。

年ごとに少しずつその活動は異なり、昨年は確かにソフトウエア面は静か(少なくとも表向きは)で、主要プラットフォーム向けゲーム面が活発な 1年でした。

と言う訳で、2016年を振り返り 2017年の展望についてお話ししましょう。

 

【リリース

FirewatchFirewatch

2016年は私たちにとって明らかに Firewatch な 1年でした。Campo Santo の大いなる奮闘のおかげで Firewatch は予定通り Mac、PC そして PlayStation 4 向けにリリースされました。その後 Xbox One 版もリリースされました。その時の様子については以前ブログに書きました。よろしければお読みください。

私たちはこの 1年間の経験をすべて消化できたと思います。Firewatch についての電子メールやブログ、YouTube 動画、フォーラムディスカッションなど、アプリ開発ではあまり味わえない経験に強くやりがいを感じました。過去の愛を思い起こさせたり、アウトドアへの注目を活性化させたり、昔と現代の生活についてやエンディングに関する議論などなど… 他の多くのビデオゲームよりも、それらの点が少しだけ充実していた様に感じています。

クールな何を作るための良い友達関係をサポートしたり、新しい業界でちょっとだけ名前を覚えてもらったり、マーケティングスキルを磨いたり、そしてゲームを出荷するための様々についてなど、本当に多くのことを学びました。また Firewatch は財政的にも成功を収め、非常に手堅い投資でした。それは私たちが今後より多くのソフトウエアを開発したり、リスクを抱えたり、もっとクレイジーなことを試みるためのナイスなクッションになりました。Firewatch の成功はみんなの利益に(新しい Coda を待っているそこのあなたにも!)なりました。

リリース以降のできごと:

Salon や VulturePolygon や The Independent(アンチャーテッド4の1個前!?)など、多くの年間総括的記事で Firewatch を取り上げていただきました。PC Gamer に至ってはベストライティングをいただきました。
販売本数100万本を達成しました。
Mac App Store(Steamを利用していない方のため)でのリリースを開始し、Apple に特集されています。
・2017 Game Developer Choice Awards にて、Best Debut および Best Narrativeを含む、数々のアワードを受賞しました。

・もちろん、逃したアワードも数多くありましたが一貫したクールさ: 信じられないことに私たちの初作品は常に、大規模スタジオによるメジャータイトルと共にノミネートされていました。
・現在、日本語字幕版を製作中です。近々ご紹介できるでしょう。
・そして誰がこのストーリー: My Uncle Works for Nintendo を忘れられるでしょうか?

初期のクレイジーなアイディアを実際に、時間通りに、限られた予算で実現した Campo Santo の日々を見守ってきた私たちは、この特別だった時間を懐かしく感じることでしょう。どのように開発が進んでいくのか、QAやマーケティングはどのように行っていくのかなど、それらは本当にチームの努力の結晶と感じています。

ありがとう、Campo Santo!

 

The team at GDC winning an award

FirewatchFirewatch Photos

架空の写真プリントサービス会社も立ち上げました。Fotodome という Firewatch の思い出をプリントする会社です。私たちは — 主に June は — ゲーム内で撮影された写真を美しくプリントし、1,500 セット以上を全世界に向けて出荷しました。サーバには 45,000 “ロール” — 534,000 枚以上の写真がシショーニの森で撮影されました。

Fotodome は利益や売り上げを度外視した本当に楽しいプロジェクトでした。おそらく Firewatch のプレイヤーに特別な感覚を与えることができたと思いますし、注文を受け取るたびに私たちもとても良い気分になりました。そしてそれは現在も — 毎日 1、2件の注文が続いています!

Coda iOSCoda の Touch Bar サポート

2016年の終わり頃、Apple は MacBook Pro に Touch Bar を追加しました。そして私たちはすぐに、それが Coda で利用できたら面白いだろうと考えました。人々の興味はできるだけキーボードから手を離さずに済むことに注がれています。数週間の開発期間を経て、Coda 2.6 で Touch Bar をサポートしました。新しいハードウエアの機能が私たちのアプリケーションで利用できるようになることはとても素晴らしいと感じました。

 

【アップデート】

他のプロジェクトに取り組む間も、ソフトウエアチームはコンスタントにアプリケーションのアップデートを行いました。2016年に行ったアップデートをチャートでご紹介します:

2.5.14 2.1.3 2.5 2.0.9 4.4.12 1.3.2
2.5.15 2.2 2.5.1 2.0.10 1.3.3
2.5.16 2.2.1 2.5.2 2.0.11 1.3.4
2.5.17 2.2.2 2.5.3 2.0.12 1.3.5
2.5.18 2.2.3 2.5.4 2.0.13
2.5.19 2.5.5 ☠️?
2.6 2.5.6
2.5.7
2.5.8
2.5.9

2016年の52週間で、34回のアップデートリリースを行いました。そのうち3回は新機能を含む重要なアップデートでした。QAチームの拡大と改善により高い品質を保ち続けることができました。この頻度は恐らく、私たちにとって新記録かも知れません。

お求めいただいたソフトウエアが期待通りに毎日当たり前に動作する、その様な環境を提供することが私たちの目標でありゴールです。

 

【成功

2016年の注目すべき事例をご紹介します:

・ソフトウエア品質は明らかに向上しています。2016年、私たちは Aaron を Ashur の QAチームに異動させました。彼らはフルタイム、開発初期段階からアプリケーションをテストしています。これまでと比較すると大きな変化で、動作の安定した、磨かれたものをリリースできていると自負しています。(実際、Transmit 5 の開発中に多くのバグが修正され、ベータ版もこれまでに無いほどの短い間隔で開発が進められています。)
・グループスキルが向上しました。自分たちで明言するのはちょっとイタイかも知れませんが、笑わないでください。しかしより定期的なステータスミーティングと、長引きますがとても有用なバグ修正ミーティングの実施により、私たちは直近の目標を明確に定義しながらチームとしてより良い仕事をしています。
・Firewatch のような外部プロジェクトのサポートは非常に価値があると感じました。 私たちはこれからもっと多くのことをしたいと思っています。 これからもっとゲームのサポートをする?実際に何かあれば、私たちは良い仕事をする自信があります。
・採用プロセスを明確にしました。主に Ashur と Heather によって進められ、新しくより洗練・構造化されたプロセスで採用を行うようになりました。採用ページを新しく設け、履歴書を管理し(受け取るごとに James によって編集されます)、それはそれは大きな変化で、多くの作業が必要でした。が、とても価値ある作業でした。なぜなら…
・現在のチームは素晴らしい。本当にそう感じています。2016年、Jesus と Helen をサポートチームに迎えました。とても歓迎しており、共に働けることをうれしく思います。そして Panic のメンバー個人個人の最高にクールなものを実現可能にする技術、イニシアチブ、そして絶え間ない衝動に、私は毎日感銘を受け続けています。まだ話すことができないことがたくさんありますが、誰もが自分の好きなものを見つけ、それに最大限を傾ける。世界クラスのチームがここにあります。

 

【チャレンジ

残念ながら、すべてがスムースだった訳ではありません:

・iOS は引き続き私たちを悩ませます。ご記憶の通り、2016年は美しいデータ可視化アプリケーション Status Board の開発を終了した年でした。プロ向けの iOS アプリ開発のために多くの投資を行ってきましたが、改めて一撃を食らいました。この様な成り行きから学んだので今後、私たちは macOS に焦点を当てて行きます。iOS 上で macOS の様な高品質な作業をすることに時間をかけ挑戦してきましたが、悲しいほどの利益しか得られませんでした。iOS を愛していますし iPhone も iPad も大好きです。しかし私たちはこれらのプラットフォームでプロ向けアプリの需要が — まだ? — 無いと確信しています。
・ゲームの開発は難しいです。(Ben いつもありがとう。感謝します!)大体の一貫性がある Xcodeと、基本的に信頼性のある Apple プラットフォームという Mac / iOS 開発の世界で少々甘やかされていたことに気付きました。信じる信じないに関わらず、App Storeでさえシンプルに感じられます。Unity のマイナーアップデートでゲームが破壊されるなんて信じられますか?地球上にどれだけの異なる構成の PC が存在(しかも、異なるリージョンで異なるユニットを掛け合わせることができる世界です)し、それらに向けてパフォーマンスを調整するなんてどれだけ難しいことでしょう。(Metal をサポートした Firewatch の出荷直前まで漕ぎ着けました。しかし Firewatch プロジェクトの複雑さに加え、Unity + Metal の複雑さが加わり、壁にぶち当たって結局リリースできませんでした…)
・役割の定義は重要です。真に「フラット」な組織で、いつでもほとんどすべてのタスクで貴重な情報を提供できる非常に賢い人がたくさんいる時、何が起こるでしょうか? 物事が実際に少しずつ減速することがあります。あるタスクに適切な人材を欲しており、厳しい決定を下して工程を進められる人が欲しいと考えます。とすると、それはフラットな組織を上回る必要があります。私たちはこれをもっと将来に向けて試してみます。それはとても難しいことですが、人々を排除しようとは思いませんし、制作の情熱を消したくはありません!

 

【これからについて

恐らくみなさんの気になる部分だと思います。現在、これらのことに取り組んでいます:

Transmit 5

私たちが最後の有償アップデートを行ってから7年(その間、ずっと無償でアップデートしてきました!)が経過しました。現在はプライベートベータテストを行っており、リリースまでもう間も無く!です。私たちが考えうる macOS を最大限に尊重した、ソリッドなアップデートになりました。

Coda

Coda の長期的なプランについて、疑問に感じているあなたを私たちは責められません!いくつかのアップデートを経て、Touch Bar のサポートが追加されたことはナイスでした。で、次は?

良いニュース: 私たちは Coda を「再起動」するために何が必要か — 2017年の最新の Web 開発環境に備えるには、そして私たちがどの様な価値を提供できるのか、ブレーンストーミングを連日行っています。現在もお使いいただいている既存のユーザ様を疎外することなく、Web の開発、構築、公開のためのより現代的なワークフローを提供する無駄のない、より早い Coda にするには?巨大な単体のリリースではなくアクティブに改良を続け、またそれを実現するための収益モデルを確立するには?素晴らしい既存の(そして、しばしば無料の!)競合製品に対抗するユニークなアイデンティティを築くには?これらは大きな問いです。しかし、私たちには総合的な計画があり、作業は順調に進んでいます。

悲しいニュース: これは一夜にして起こることではありません。長い道のりが待っています。実現には時間が掛かります。何かアップデートがあるごとに私たちは Twitter でツイートしたり、ブログを通してレポートしたりするでしょう。

Coda をご使用いただいている皆さんへ、多大なるご支援と忍耐に感謝しています。作業に時間は掛かりますが、長期に渡って「スタック」しない未来の Coda を見据えた作業として、うまく行くと考えています。(また、いつでも Coda で何をしたいか、どこに行くべきかを電子メールで知らせてください。私たちはあなたの建設的なフィードバックが大好きで、常に参考とさせていただいています。)

その他にも

日の目を見ないかも知れない様な「クレイジー」な何かが無ければ Panic らしくありません。できれば2017年、20周年となる今年に何か新しいプロジェクトを発表できる様、クランクハンドルを回し続けたいと考えています。

 

【謝辞】

時々信じられない気分になりますが、私たちは実際に、まだここに存在できています。

無限の幸運に感謝します。20年間も、この驚くべき仕事を続けられた幸運に、この優秀な人々と出会い充実したチームとして働ける幸運に、独立した組織として様々なことにチャレンジできる幸運に、そしてあなたの様な顧客やファンに支えられている幸運に。

それは美しく完璧な20年でした。次の幸運が私たちに何をもたらしてくれるのか、これからも一緒に見てください!

 

[原文]

Posted at 10:06 am The 2016 Panic Report 〜 2017年によせて はコメントを受け付けていません

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